Garnet~大好きの伝え方
「うーん。でも月は表だけでも充分きれいだと思うし。それに、月の裏側を知る努力を別のことにも使えるでしょう?」
「たとえば?」
「たとえば、月よりもちょっと遠い火星のこと気にかけたりさ」
「えええっ、それって堂々と浮気宣言なのかな?」
「ち、違う違う! ……はぁ、わかっててそんなこと言うんだもんなー、麻里亜さん。僕をいじめるの楽しい?」
「うふふぅ、ちびっとね♪ 話戻すけど、見えない反対側を知る努力は必要だと思うの。もう半分を知らないせいで相手を誤解しちゃうなんて、なんだかすっごいもったいないと思わない? だから――ねぇ加奈ちゃん」
「……」
「加奈ちゃん!」
「えっ!? あ、うん! な、なに?」
突然肩を揺すられて驚いた私を、麻里亜ちゃんがじっと見ていた。
唇を少し尖らせて、もうっ、と彼女は鼻から息を抜く。
「全然聞いてなかったでしょ、加奈ちゃん。ずぅっとボーッとしちゃってさ。私ショック受けちゃうぞ?」
「あ、う、あの、ごめん。えと、なんの話だっけ? 月がどうとかは聞こえてたよ……?」
「たとえば?」
「たとえば、月よりもちょっと遠い火星のこと気にかけたりさ」
「えええっ、それって堂々と浮気宣言なのかな?」
「ち、違う違う! ……はぁ、わかっててそんなこと言うんだもんなー、麻里亜さん。僕をいじめるの楽しい?」
「うふふぅ、ちびっとね♪ 話戻すけど、見えない反対側を知る努力は必要だと思うの。もう半分を知らないせいで相手を誤解しちゃうなんて、なんだかすっごいもったいないと思わない? だから――ねぇ加奈ちゃん」
「……」
「加奈ちゃん!」
「えっ!? あ、うん! な、なに?」
突然肩を揺すられて驚いた私を、麻里亜ちゃんがじっと見ていた。
唇を少し尖らせて、もうっ、と彼女は鼻から息を抜く。
「全然聞いてなかったでしょ、加奈ちゃん。ずぅっとボーッとしちゃってさ。私ショック受けちゃうぞ?」
「あ、う、あの、ごめん。えと、なんの話だっけ? 月がどうとかは聞こえてたよ……?」