Garnet~大好きの伝え方
「話もどしてもいい?」

と、こっちに向き直った麻里亜ちゃん。

ヨシが不機嫌な黒猫なら、彼女は気まぐれなカナリアみたいだと思った。

「私ね、ヨシくんは加奈ちゃんの反対側を、加奈ちゃんはヨシくんの反対側を見たほうがいいと思うんだ」

反対側……私、見てないのかな。

ずっとずっと考えてたんだ。朝からずっと、ヨシの言っていたことを何度も。

どうして、あんなにはっきり否定されたのか。

どうして、あんなにはっきり拒絶されたのか。

どうして、あんなにはっきり邪険されたのか。

ずっと考えてた。

きっとなにか理由がある。

私の知らない、気付けてない理由がある。いつもヨシはそう。本当の気持ち、私に隠したまんま。

だから私はいつも、ヨシの言ってることの裏側を考えてた。

考えて考えて……いくつか浮かんでは消え……でもやっぱり、わからない。

そんな風に今も、いつのまにか時間だけ過ぎて、お昼休みになった。

私の頭の中のヨシを理解したげるので、いつもいっぱいなんだ。

それなのに、これでもまだ、ヨシのことわかってないんだ、私。
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