Garnet~大好きの伝え方
「でもね、ほんと、そんなに羨ましがられることはないよ」

なにかしら思い出しながらなのか、悠里くんはぼんやりと窓の外を眺めた。

私はその横顔を見つめる。

「麻里亜さんね、いきなりアレやってコレやってって言い出すんだ。全然予測できない。加奈ちゃんが言うほど、僕は麻里亜さんをわかってないと思うよ」

そうかな? なんて思ってると、麻里亜ちゃんが大きく偉そうにうなずいた。

「うんっ、悠里は私のこと、半・分! もわかってないよね。ためしにほらっ、今私がなに考えてるから当ててみて」

「ええっ、いやー、そんなのはさすがに、麻里亜さん相手じゃなくても無理なんじゃ……?」

「いいからっ」

「うーん……」

私も、麻里亜ちゃんの質問はかなり無理があると思うのに、悠里くんは真剣に悩み始めた。

こんなことにさえ、いいなって思う。

私がヨシに訊いてみたってきっと、わかるわけがないだろって言われておしまいだろうし。
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