キミ座
携帯を見れば、既にPM9:07。
彼―――――――もとい、漆斗と
7分も一緒に居るのだ。
………………独りを邪魔された。
こんな気持ちが芽生えてくる。
「…………………………邪魔。」
「、え?」
「………邪魔、しな、いで…」
こんな事を言うつもりは
全くもってないのに。
「………私、は…私は独りで―――」
――――――独りでいたいのに!
………そう言おうとした。
だがしかし。
ニッコリと微笑みながら、
――――でも少し寂しげに
きゅ、と私の手を握る
彼の仕草に言葉が詰まった。
なんというか。
――――――――…切ない。