この恋、もう一度〜中学生から大人になっても〜

博物館内を出ると私はベンチに腰掛けた。


かなり気分が悪い。


「志保、大丈夫??次って講習だよね?」

朋子が心配してくれる。

次は戦争体験者の方の話を聞く講習だ。


これ以上怖いのはムリかも。


「志保。はい、ジュース。」

彩名が冷たいジュースを買ってきてくれた。

「ありがとう。」

ジュースを少し飲むとちょっとすっとした。

「宮田?具合わるそうだな??」

「津田先生!志保、気分悪くなっちゃったみたいなんです。」

「朋子、大丈夫…。」

「そうか。ちょっと休憩出来るか橘先生に聞いてやる。」

先生は電話でたっちゃんに聞いてくれた。

「……わかりました。オリエンテーションに参加出来るかまた連絡します。」

携帯を握ったまま、先生は、

「宮田は俺と休憩。高田と河合はみんなと行ってきなさい。」

「はーい。」

朋子と彩名の良い子の返事。


私に手を振る二人はウィンクしていった。



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