この恋、もう一度〜中学生から大人になっても〜
「ただいま。」
「お帰り。早かったね。」
ゆっくりとお母さんは立ち上がる。
エプロンのポケットに入れていたハンカチで顔を拭く。
「お母さん、なんか、あった?」
「…。」
すると、お母さんはダイニングチェアに座る。
私はその様子をただ見ていた。
「ねぇ、志保。…志保は、もう大人だよね?お母さんね、ちょっと疲れてしまったの」
「晩ご飯、私が作るよ!何がいいかなぁ??」
わざと、明るく返す。