イケメン御曹司とラブ甘同居
そっか。

そうだよね…



「しかし…ある日突然、成長した実乃里ちゃんは俺の前に現れた。南朋の前にもね…」


あ…そうか。

裕一郎さんからしたら、かなり成長した私と再会したってことだよね。




「美咲が亡くなったことを、実乃里ちゃんから告げられて……俺は悲しいと同時に・・消された空間を、埋めるときが来たと思ったんだ。実乃里ちゃんと、南朋が再会したということは、2人の記憶が戻るかもしれないからね。美咲からもらった手紙にも、そう書いてあったし」


お母さんから、裕一郎さん宛てに預かった手紙だ。


じゃあ、お母さんが生前…

私に言えなかった秘密って、これだったんだね。


やっと、知れた…




「今回ここに(別荘)来ることは…正直賭けだった。もしかしたら…2人がここに来れば、記憶を取り戻せるかもと思った。でも、本当に取り戻せて良かった。美咲も…忠信も・・きっと喜んでるよ」


裕一郎さんの目から、一粒涙がこぼれた。

私もそれを見て、また涙がこぼれた。





「2人とも大丈夫か?記憶が戻ったのはいいが…体の方は、なんともないか?」

「私は大丈夫です。頭も体も、スッキリしてます」

「俺も」


私と南朋は、顔を見合わせた。




「一応、医者に診てもらった方がいい。今から手配するから、ここにいてくれ」

「わかった」

「わかりました」


裕一郎さんは、慌てて部屋から出て行った。

部屋には、また私と南朋のふたりきりになる…
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