イケメン御曹司とラブ甘同居
南朋side


あの日…

俺は、実乃里に星を見せたかったんだ…




『ねえ、プラネタリウムだしてよ』


ある日の夜。

子供が寝る時間を、少しばかり過ぎた頃…


隣で寝ていた実乃里が、テレビを観ていた俺の身体を揺すった。


ちょうど夏休みになったばかりで、保育園は休み。

そのため、毎日退屈していた俺たちだった…




『えープラネタリウムのおもちゃは、もうあきた…』

『そうだけど…ミノリ、ほしみながらねたい』


当時、うちにはおもちゃのプラネタリウムがあった。

部屋を暗くしてスイッチを入れると、天井や壁に、プラネタリウムが映るというもの。


俺たちは、そのプチプラネタリウムを見ながら、眠ることが好きだった。




『じゃあさ!あしたのよる、うらやまにほしをみにしこうぜ!』

『…うらやま?』

『そう。うちのうらに、あんまりおおきくないけど、やまがあるだろ?あそこのてっぺんまでのぼって、ほしをみるんだ』

『いいね!いこういこう♬』


はしゃぎ出す実乃里。




『ほんものの、ほしをみながらねようぜ!よるこっそりぬけだして、あさはやくかえってくれば、バレないしな』




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