イケメン御曹司とラブ甘同居
『そうだねっ』

『…いいか?おまえのかーちゃんと、おれのオヤジにはいうなよ?』

『わかった!ひみつね…』


俺の実乃里は、そんな話をしながら、その日は眠ったんだ…


次の日の夜

俺たちは約束した通り、寝静まったあと…こっそりと家を抜け出した。





『ナオ、おもくない?』


裏山に向かいながら、俺の背負っている荷物を見て心配している実乃里。




『へーき。それより、ちゃんとおれのてをにぎってろよ?くらいから、あぶないぞ』

『はーい』


まるで兄貴のような口調。

実乃里のまえでは、俺はいつも兄貴のような存在でいたかった。


“すごい"と思われたかった。




キュルル…

キィ……


どこからともなく聞こえてくる、夏の虫の声…



『…なんかコワイ』

『バーカ、むしだよ』


俺にピタリとくっつく実乃里。




『あーバカっていったら、じぶんがバカなんだよー』

『バカ!たたくなよ』
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