トールサイズ女子の恋【改稿】
「それ、高校時代の部活で撮った写真だよ。はい、紅茶」
「ありがとうございます」

　水瀬編集長はマグカップを２つ手に持って部屋に入ってきたので、私は写真楯を本棚に戻して水瀬編集長からマグカップを受けとると２人でソファーに座り、マグカップに入っている紅茶を一口飲むと身体全体に美味しさが広がっていく。

「ちょっと待ってて」

　水瀬編集長はマグカップをローテーブルに置くと立ち上がって部屋を出ていき、壁からごそごそと音が聞こえたので隣の部屋に行ったんだと分かり、そして部屋に戻ってきた水瀬編集長の手には分厚い冊子があり、それを私に渡すと隣に座った。

「これ、俺が写っているアルバムなんだ」
「どんな写真が入っているのか、楽しみです」

　アルバムを受け取って中をめくってみると、そこには水瀬編集長の赤ちゃんの頃から幼少・学生時代と沢山の写真がアルバムに収められ、家族写真には水瀬編集長の側に両親、そして小さな女の子が写っているんだけど、もしかしてこの小さな女の子がYUKIなのかな？今はモデルをしているだけあって、小さいころから瞳がぱっちりとしていて可愛いなぁ。

　更にアルバムのページを捲ると、今度は小学生時代の頃の写真があって、スポーツをしている写真は大体がバスケットボールをしている写真だ。

「水瀬編集長はずっとバスケットをしていたんですか？」
「うん。学校がバスケか野球に力を入れてたから、坊主が嫌でバスケにした」
「今はもうやらないんですか？」
「仕事が忙しいとね。この小学生時代に仲が良い奴がいて、今はアパレルに進んだけど社会人チーム作って試合をしてるらしく、見に来いって誘われるよ」

　水瀬編集長はユニフォームを着てピースをしている男子たちの写真を眺めて、懐かしんでいる。
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