トールサイズ女子の恋【改稿】
　ずっと抱き締められていたらソファーに押し倒され、私の顔の横に水瀬編集長の両手がつくと、水瀬編集長は私を見下ろして何かを言いたげな顔をする。

「水瀬編集長…、あの…」
「ここじゃなくて、隣の部屋に行こう？」
「それは…、その……」

　アルバムを見てた時は穏やかな空気だったけど、今は何となく違う空気が私たちを包んでいるのを感じたのは、想いが通じて恋人の部屋に入って、もうお互い大人だし、この後の展開は予想が出来るからだ。

「ソファーじゃなくて、ちゃんとした場所で星野さんに触れたい」

　水瀬編集長は右手で私の頬に触れて熱を帯びた視線を向ける表情は、いつも四つ葉出版社で見せるにこやかな顔ではなくて、恋人にしか見せない男性としての色気を帯びた表情を魅せる。

　そんな風に見つめられて嫌だとは思えないから、私は頬に触れている水瀬編集長の右手を自分の左手で包み込んで口を開く。

「隣にいきましょう？」
「うん…」

　水瀬編集長は私をソファーから起き上がらせると、手を引いて隣の部屋に移動した。
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