トールサイズ女子の恋【改稿】
◇第17章:忠告されてから1週間後のランチ
 side星野美空

 高坂専務から社内恋愛について忠告を受けてから1週間が過ぎた水曜日、ベットの側にある目覚まし時計が同時に鳴ったので音を止めると、今度はスマホが揺れたので画面を開いてみたら幸雄さんからメッセージを受信していた。

『おはよう。肌寒いから、美空は風邪を引かないようにね。またお昼に。幸雄』
「幸雄さんらしいな」

 メッセージ本文にはそう書かれていて、画面を見ながら顔がほころぶ。

 付き合う前と変らないのは四つ葉出版社内で顔を会わせても挨拶程度で、付き合ってからはスマホを使って短いメッセージのやり取りが断然多い。

 朝起きたらの『おはよう』、就寝前には『お休みなさい』という単純なメッセージだけど、文末には私のことを気遣うことも書いてあるから、私も返事をするときには過度な絵文字はつけないように送っている。

「『おはようございます。今日はカーディガンを羽織って行きますね。お昼に待ってます。美空』―…と」

 お互い身長コンプレックスを抱えていて恋愛が上手くいっていなかったから、両想いになった今はそれを埋めるようにやり取りをしている。

 本当はデートをしたいけれど、幸雄さんの仕事の大変さが分かるので今は我慢かな。

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