トールサイズ女子の恋【改稿】
私はそ~と静かにドアを開けて中をみたら幸雄さんと姫川編集長が対峙していて、幸雄さんの左側の口元にはガーゼとテープが貼られてあり、普段はチェック柄の眼鏡をかけているのに何故か今日は眼鏡を掛けておらず、姫川編集長は腕を組みながら不機嫌そうなオーラを出し、尚且つ怒りで顔が余計に怖く感じるのは気のせいではないよね。
2人の周囲にいる編集部の社員たちは顔面が強張っていて、誰も2人の間に入ろうとしないでただ成り行きを見ているだけで、かくいう私も中に入るに入れない感じでドアの前で固まってしまう。
「…ったくよ、取引先の相手を殴るなんて信じられねぇよ」
「………ご免」
苛々しながらモジャモジャの髪の毛を掻く姫川編集長に対して、幸雄さんは力なく謝罪の言葉に呟き俯く。
「で、殴った理由は?」
「……言えない。殴ったことは非を認めるけど、理由は言いたくない」
「なんだそれ。お前は小学生かよ?理由なく行き成り殴らないだろーが」
姫川編集長は幸雄さんが頑なに理由を言おうとしないのに呆れているけれど、幸雄さんが誰かを殴ったって……一体昨日は何があったの?
「取引先に謝りに行っている高坂から伝言を受けた。お前はこのまま帰って頭を冷やせ、だそうだ」
「分かった…、そうする」
「待って下さい!水瀬編集長がいないと、再来月発売の進行が崩れます」
「まだ検討してる企画の会議があるんです」
幸雄さんは自分の机にバックを取り出して荷造りをし始めると、ファッション部の人たちが幸雄さんの元に集まりだし、帰ろうとするのを止めに入る。
2人の周囲にいる編集部の社員たちは顔面が強張っていて、誰も2人の間に入ろうとしないでただ成り行きを見ているだけで、かくいう私も中に入るに入れない感じでドアの前で固まってしまう。
「…ったくよ、取引先の相手を殴るなんて信じられねぇよ」
「………ご免」
苛々しながらモジャモジャの髪の毛を掻く姫川編集長に対して、幸雄さんは力なく謝罪の言葉に呟き俯く。
「で、殴った理由は?」
「……言えない。殴ったことは非を認めるけど、理由は言いたくない」
「なんだそれ。お前は小学生かよ?理由なく行き成り殴らないだろーが」
姫川編集長は幸雄さんが頑なに理由を言おうとしないのに呆れているけれど、幸雄さんが誰かを殴ったって……一体昨日は何があったの?
「取引先に謝りに行っている高坂から伝言を受けた。お前はこのまま帰って頭を冷やせ、だそうだ」
「分かった…、そうする」
「待って下さい!水瀬編集長がいないと、再来月発売の進行が崩れます」
「まだ検討してる企画の会議があるんです」
幸雄さんは自分の机にバックを取り出して荷造りをし始めると、ファッション部の人たちが幸雄さんの元に集まりだし、帰ろうとするのを止めに入る。