トールサイズ女子の恋【改稿】
「しかも殴られた相手が、この間の接待にいた星野さんにちょっかい出した人だし」
やっぱり…殴られたのは元彼で、手を挙げたのは幸雄さんなんだ。
「俺と姫川は水瀬とそいつが最初にどんな話をしていたか分からないけど、駆けつけた時には水瀬の眼鏡は壊れてるし、2人とも口元に怪我をしていた」
「そんなに…」
「交流会はアルコールも出されてたし、てっきり飲んだくれたかと思ってたけどね。姫川が救急箱をフロントに取りに行っている間に理由を聞いたけど、『殴った非は認めるけど、理由は言えない』の一点張りでさ。相手も最初はだんまりしてたけどね、ただ…」
高坂専務は言おうか言わないか、迷っている素振りをする。
「高坂専務、仰って下さい」
「姫川が戻る前に相手が去り際に『美空は絶対俺の所に戻らせる』と言ってたから、あぁ水瀬が怒った原因の1つは星野さんが絡んでいるのかと思った」
私が原因…、幸雄さんが怪我をしたのも私のせいなんだ……、先日高坂専務に社内恋愛について気をつけてほしいと忠告を受けたばかりなのに、私のせいで2人は怪我を負ってしまったなんて……、私のせい…、私のせいなんだ……。
「さっき青木印刷会社に行って上層部の人と話をしたんだけど、原因はなんにせよ手を挙げられたことは事実だから、うちとの関係を考えさせてほしいだって」
「そんな…!」
「まっ、その辺は俺と社長で話をつけるからさ」
「私のせいで…、本当に申し訳ございません!!」
「星野さん、頭を上げて」
「いいえ、上げられません!」
ファッション部の皆さんに…ううん、四つ葉出版社全体にとても迷惑をかけてしまったのだから頭なんて上げられないし、自分の恋愛で会社に迷惑をかけてしまっているので、このまま四つ葉出版社にいてはいけないのかもしれないと思い、"退職"の2文字が頭を過り、やっぱり私って恋愛は不向きなんだな……。
「もしかして"辞めよう"と考えてる?」
「はい」
「とりあえず週明けの月曜日に青木印刷会社に行くことになっているから、星野さんも同席をして欲しい。じゃあ専務としての話はこれで終わりだから、頭を上げて」
「はい」
さっきまでは高坂専務の声は雪のように冷たかったけど、今はそうじゃない感じがして頭を上げる。
やっぱり…殴られたのは元彼で、手を挙げたのは幸雄さんなんだ。
「俺と姫川は水瀬とそいつが最初にどんな話をしていたか分からないけど、駆けつけた時には水瀬の眼鏡は壊れてるし、2人とも口元に怪我をしていた」
「そんなに…」
「交流会はアルコールも出されてたし、てっきり飲んだくれたかと思ってたけどね。姫川が救急箱をフロントに取りに行っている間に理由を聞いたけど、『殴った非は認めるけど、理由は言えない』の一点張りでさ。相手も最初はだんまりしてたけどね、ただ…」
高坂専務は言おうか言わないか、迷っている素振りをする。
「高坂専務、仰って下さい」
「姫川が戻る前に相手が去り際に『美空は絶対俺の所に戻らせる』と言ってたから、あぁ水瀬が怒った原因の1つは星野さんが絡んでいるのかと思った」
私が原因…、幸雄さんが怪我をしたのも私のせいなんだ……、先日高坂専務に社内恋愛について気をつけてほしいと忠告を受けたばかりなのに、私のせいで2人は怪我を負ってしまったなんて……、私のせい…、私のせいなんだ……。
「さっき青木印刷会社に行って上層部の人と話をしたんだけど、原因はなんにせよ手を挙げられたことは事実だから、うちとの関係を考えさせてほしいだって」
「そんな…!」
「まっ、その辺は俺と社長で話をつけるからさ」
「私のせいで…、本当に申し訳ございません!!」
「星野さん、頭を上げて」
「いいえ、上げられません!」
ファッション部の皆さんに…ううん、四つ葉出版社全体にとても迷惑をかけてしまったのだから頭なんて上げられないし、自分の恋愛で会社に迷惑をかけてしまっているので、このまま四つ葉出版社にいてはいけないのかもしれないと思い、"退職"の2文字が頭を過り、やっぱり私って恋愛は不向きなんだな……。
「もしかして"辞めよう"と考えてる?」
「はい」
「とりあえず週明けの月曜日に青木印刷会社に行くことになっているから、星野さんも同席をして欲しい。じゃあ専務としての話はこれで終わりだから、頭を上げて」
「はい」
さっきまでは高坂専務の声は雪のように冷たかったけど、今はそうじゃない感じがして頭を上げる。