トールサイズ女子の恋【改稿】
 幸雄さんを見上げると口元の怪我がどうしても気になっちゃって、私は右手を伸ばして幸雄さんの口元のガーゼにそっと触れたら、幸雄さんは私の右手に短い口付けをする。

「口元の怪我…、痕は残りますか?」
「残っても大丈夫」
「でも…」
「俺は美空の"ここ"が傷つく方が嫌だよ」
「私も幸雄さんの"ここ"が傷つくのは嫌です」

 私と幸雄さんはお互いの心臓の位置に手を置いて、はにかむ。

「傷ついても、此れからは2人で寄り添おう?」
「はい。幸雄さんの隣に並ぶだけじゃなくて、心にも寄り添えるようにします。それが私の次の理想の恋愛です」
「俺もだよ。美空、愛してる」
「わたし―…」

 "も"っていう前に幸雄さんの唇が重なって、言葉は飲み込まれてしまった。

 初めて幸雄さんに触れられたあの日よりも、今この時がもっと幸雄さんの心と身体に寄り添えていることに幸せを感じ、全身で幸雄さんの熱を受け続けたのだった。
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