トールサイズ女子の恋【改稿】
 藍山駅に着くまで何度もバッグの中を確認するけど、やっぱスマホが無い。

「最悪。ついてない…」

 電車のドアによりかかり、ボソッと呟く。

 財布はあるから困らないけど、スマホには個人情報や写真もあるし知らない内に何処かにかけられてたら最悪だもん。

 藍山駅に着くと早足で四つ葉出版社に入り、在庫室に向かって在庫室の電気を点けて、床に落ちていないかなとしゃがみながら探してみる。

 それでもスマホが見つからず、焦ってきた。

「在庫室の電気が着いてるなって思ったら、ここで何してるの?」
「あっ、水瀬編集長。ええと、実は―…」

 背後から声がしたので振り返ると水瀬編集長が立っていたので、私は立ち上がって水瀬編集長にここにスマホを落としたかもしれないことを説明した。
 
「成る程ね、探すの手伝うよ。スマホの特徴は?」
「本体が白で、ケースも白です」
「オッケー、白だね」

 水瀬編集長はしゃがみながら探しはじめ、私は床にある段ボールを動かしてスマホを探した。

 そして、自分が在庫室で備品をチェックしてた時の行動を思い出してみる。

 最後にチェックしたのはこの棚だから、この辺りを探してみようとしゃがむと白いスマホが棚と床の間に落ちていた。

「水瀬編集長、ありました!」
「見つかった?」
「はい。良かったぁ…」

 私は安心したのか、その場に座ってスマホを手にして抱き抱えた。

「見つかって良かったね」

 水瀬編集長は私の目の前にしゃがむと、私のぽんぽんと頭を叩く。

 何だか子供扱いされてるみたいで、内心複雑なんですけど。。。。
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