トールサイズ女子の恋【改稿】
 イタリア料理を食べていた時もワインを飲んでいたし、Barに来てもかなりカクテルを飲んでいるから、それもあって酔いが回ってるのかも。

「水瀬編集長、顔がかなり赤くなってますよ。お水を頼みますか?」
「うん、大丈夫。酔ってるとは思わないけど」

 水瀬編集長は目がとろんとなりながら返事をしているけれど、本当に大丈夫かな。

「星野さんは、兄弟か姉妹はいるの?」
「一人っ子です。水瀬編集長は?」
「下に妹がいてさ、小さい頃はよく喧嘩してた。まぁ、今も俺の身長についてからかってくるけど」
「そうなんですか?」
「俺は169センチで、周りの男子に比べると身長は低いって言われるね。四捨五入すれば170センチになるから、たまに誤魔化して過大申告してる」
「水瀬編集長てば」

 水瀬編集長は悪戯ぽく笑うから、私までつられて笑ってしまう

 私より身長は低いけれど外見や中身が素敵で絶対女の子にモテるはずだし、さっき手を繋いで歩いた時は違和感なくいれたから、それだけ水瀬編集長は格好いいんだから私が隣にいるなんて勿体無いよ。

「妹さんは、身長はどれくらいあるんですか?」
「155センチって言ってたかな。家系的に身長は低いんだよね」

 私からすれば155センチなんて小柄で可愛くみられるし、その位の身長であれば水瀬編集長の隣に歩いても違和感ないもの。

「小柄でいいな…」

 私は俯きながらボソッと呟いて下唇をキュッと噛み、カウンターに置いてる手をキュッと力を込めて握った。

 あーあ、自己嫌悪モードになってきちゃう。
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