トールサイズ女子の恋【改稿】
「はい、はーい。女の子が嫌がることはしないことー」
キスをされる寸前に現れたのは高坂専務で、つかつかと此方に歩いて元彼の肩にポンッと手を置く。
「盛り上がってる所で申し訳ないが…、例え取引先の方であってもうちの大切な社員を傷つけないで欲しいな」
普段はニコニコとしている高坂専務の表情が一気に冷酷になって、低音の声で言葉に凄みを利かせ、それを見た私は背筋がぞくりと走り、初めて高坂専務を怖いと感じた。
「さっ、まだ食事が続いているので戻りましょうね」
「………先に戻ります」
今度はニコリとして微笑む高坂専務に元彼は顔がひきつかせ、私を抱きしめていた腕を解放して先に和室に向かうと、私は安心したのか足の力が抜けてしまいその場に座り込み、高坂専務も私と同じようにその場にしゃがんで私の頭をそっと撫でる。
「何もなくて良かったよ」
せっかくの接待の場なのに、高坂専務に迷惑をかけてしまった。
「高坂専務、助けていただいてありがとうございます」
「いいって。か弱い女の子が嫌がってるのに、困った男だよね」
「あっ、あの…、このことは誰にも話さないでください。和室にいる課長や、お世話になった青木印刷会社の皆さんに悪いので」
「俺は誰にも話すことはないけれど、星野さんがそうして欲しいならそうするよ」
「ありがとうございます」
私のせいでこんなことが公になってしまったらせっかくの繋がりが消えてしまうし、それだけは避けたいし、それに水瀬編集長に知られたくない…、知られたくないよ。
水瀬編集長に彼女がいるのに知られたくないなんて変かもしれないけれど、知られたくないって思ったんだもの。
キスをされる寸前に現れたのは高坂専務で、つかつかと此方に歩いて元彼の肩にポンッと手を置く。
「盛り上がってる所で申し訳ないが…、例え取引先の方であってもうちの大切な社員を傷つけないで欲しいな」
普段はニコニコとしている高坂専務の表情が一気に冷酷になって、低音の声で言葉に凄みを利かせ、それを見た私は背筋がぞくりと走り、初めて高坂専務を怖いと感じた。
「さっ、まだ食事が続いているので戻りましょうね」
「………先に戻ります」
今度はニコリとして微笑む高坂専務に元彼は顔がひきつかせ、私を抱きしめていた腕を解放して先に和室に向かうと、私は安心したのか足の力が抜けてしまいその場に座り込み、高坂専務も私と同じようにその場にしゃがんで私の頭をそっと撫でる。
「何もなくて良かったよ」
せっかくの接待の場なのに、高坂専務に迷惑をかけてしまった。
「高坂専務、助けていただいてありがとうございます」
「いいって。か弱い女の子が嫌がってるのに、困った男だよね」
「あっ、あの…、このことは誰にも話さないでください。和室にいる課長や、お世話になった青木印刷会社の皆さんに悪いので」
「俺は誰にも話すことはないけれど、星野さんがそうして欲しいならそうするよ」
「ありがとうございます」
私のせいでこんなことが公になってしまったらせっかくの繋がりが消えてしまうし、それだけは避けたいし、それに水瀬編集長に知られたくない…、知られたくないよ。
水瀬編集長に彼女がいるのに知られたくないなんて変かもしれないけれど、知られたくないって思ったんだもの。