トールサイズ女子の恋【改稿】
「えっと、水瀬編集長に聞きたいことがあって来たんです」
「うん、何?」
「水瀬編集長は……、彼女がいるのにどうして私を食事に誘ったりしたんですか?」

 あんなに可愛い彼女がいるのにどうして図体がデカイ私なんかと食事に誘うのかが不思議で、からかっていたのであればそう言ってほしいし、叶わない想いに終止符を打ちたい。

「彼女って何?誰のこと?」

 仁さんが『水瀬はあんたのことをからかってないよ』っていうけど、当の水瀬編集長の返事がこれだから、また胸がモヤモヤしてきた。

「嘘をつかないでください!可愛い彼女がいるじゃないですか!」
「嘘なんてついてないし、彼女なんていないよ」
「いますよ!私、見たんですよ?【Bar Jewelries】で水瀬編集長が席を外している時にスマホに着信があって、偶然見ちゃったんです」
「何を見たの?」
「YUKIという名前と、水瀬編集長とYUKIが腕を組んでいる画像が表示されてたのを見ちゃったんです」
「えっ……」

 目を見開いて動揺してるし、やっぱり2人は恋人なんだ……、ほらね結局トールサイズ女子の恋なんて叶わない…、叶いっこないんだ。
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