トールサイズ女子の恋【改稿】
　せっかく背中を押してくれた高坂専務たちには、悪い結果になっちゃった。

　水瀬編集長とYUKIが恋人同士というのが分かったし、これ以上ここにいたら水瀬編集長の仕事の邪魔になるから会議室を出なくちゃ。
　
「私、帰りますね。突然来てすいませんでした」
「待って。YUKIは…、俺の彼女じゃない」

　会議室から出ようと立ちあがった私の腕を水瀬編集長が掴み、はっきりと彼女じゃないと言うけど信じられないよ。

「YUKIは……、妹だよ」
「妹？」
「星野さん、覚えてない？妹がいるとかいないとか」
「あっ…」

　確かBarで色々な会話をしてた時に水瀬編集長は妹がいるって言っていたけど、本当に妹なのかな？とまだ心の中では疑心暗鬼でいる。

「その顔は、まだ信じてないね？」
「はい、まだ……。腕を組んでいる画像を設定したのは、どうしてですか？」
「YUKIは身長が他のモデルよりも遥かに低くて、周りは辞めなって言うけどYUKIは諦めたくないって、何度もオーディションを受けてやっと合格したんだ。それで家族でお祝いした時に撮影したのが、例の画像だよ」
「てっきりYUKIを彼女だと信じてました…」
「俺もあの時、ちゃんとYUKIのことを話せば良かったね」

　どうしよう…、早とちりして水瀬編集長とYUKIの関係を恋人同士と誤解しちゃって、しかも在庫室で思いきり突き飛ばしてしまって…、あぁ顔が熱い。
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