トールサイズ女子の恋【改稿】
 ある時期に高坂専務の提案で四つ葉出版社が季刊を作ることになって、無事に完成して書店に並び始めた。

 滑り出しは好調でスケジュール的にはキツいけど、ここで読者を増やしたくて『Clover』の制作に力を入れ、ファッションを楽しんで貰いたいから頑張れる。

 その後、高坂専務から新しく入った社員の歓迎会をやるとのことで姫川と九条と一緒に遅れて参加をする事になったけど、こんな時期に入社をしてくるなんて珍しいから転職者だろうか?しかも高坂専務は俺には必ず参加をしろと言うし、一体なんなんだろう。

「俺たちは終わったが、お前は行けそうか?」
「ああ。俺もキリが良いから、行こうか」
「久しぶりに飲めますね~」
「お前って、いつも色気より食い気だな」
「食い気で悪いですか?姫川編集長だって、取材で食事をする時はがっつり食べてますよ?」
「ほらほら、今から行くんだから喧嘩しないの」

 姫川と九条のこのやり取りに、かなり慣れてきた。

 俺たちが会場の中に入ると歓迎会に参加をしている社員は殆どで、ファッション部の部下たちも久しぶりの飲み会に嬉しそうにしているな。

 九条は他部署の所へ行き、俺と姫川は高坂専務の席に行くと、いつものように高坂専務と姫川の絡みを宥めながら飲む。

 ここに仁がいたら良かったけど、仁は大勢に囲まれるのは嫌みたいだから歓迎会は欠席とメールがあった。
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