あの花が咲く前に②





泣き崩れている早川さんの背中に

そっと手を回した。


「ごめんねっ。」


泣きながら・・・

抱きつきながら 彼女は言う。


「なんで お前が謝るんだ?」


「あたしなんかが

 柿木君 独り占めしちゃってるから。」


「どぉでもいいだろ。そんなこと。

 俺 モテねぇんだぜ?」


「嘘だ・・・。」


「ほんとだって。」


「・・・ありがとう。」


「・・・謝ったり 礼言ったり

 忙しいやつだな。

 泣きたい時は 泣くだけにしろよ。」


「・・・ふふっ。

 そうだね。」




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