結婚のススメ
ピピピピッ・・・
けたたましい音で目覚まし時計は朝の4時を告げる。
なんとかアラームを止めて、慌てて隣を見る。
彼は規則正しい寝息をたてている。
よかった。
眠ってるみたい。
起こさないようにそっとベッドから出て、さっそくキッチンに立つ。
「なんにもできないお嬢様」だと「アキくん」には言われるけど、実は料理はまあまあ得意だったりする。
普段のごはんは自分で作りはしないけど、花嫁修行だという名目でパパに言われて小さいころからうちのシェフに料理を習っていた。
30分かけて料理をする。
出来上がったお弁当と朝ご飯を交互に見つめると、なんだか嬉しくなってきた。
喜んでくれるといいな。
時計を見ると、まだ5時過ぎ。
学校に行く支度をして、昨日の地図を再確認する。
「こう行って、ここを曲がって・・・あれ?まっすぐ?」
思わずぶつぶつと独り言を呟く。