結婚のススメ
「まっすぐで合ってるよ」
だいぶ聞き慣れたその声が頭の上から聞こえる。
「お・・・おはよう」
顔を上げると、「アキくん」がテーブルに並べられた朝ご飯をチラリと確認するかのように見渡してるのが見えた。
「なんのマネ?」
昨日はあたしが起きるのが遅かったから、「アキくん」の寝起きを見るのははじめてだなあ〜、なんて呑気に思っていたら言われた一言。
「朝ご飯!と、お弁当!」
威勢良く言って、テーブルの上に並べたご飯をどどーん、と指差す。
「アキくん」はキョトン、としている。
「誰が作ったの?」
目をパチクリさせながら言う。
「あたしが作ったの。おいしいかはわからないけど・・・」
一瞬の沈黙を破ったのは、「アキくん」の笑い声だった。
「意外だな。料理、できるんだ」
そう言って。
いつもの、くっくっく、という笑い声を浮かべて。