結婚のススメ
「二度目だね」
アキの意味のわからない言葉に頭にはてなマークを浮かべる。
アキはまたしても、くっくっく、という笑いを浮かべて
「まあ、いいけどね」
なんて言っている。
「さて、朝ご飯の見返りは名前でオッケーだね?」
そう言われて気付く。
先に学校に一緒に行ってもらうのを頼めばよかったかも・・・
仕方ないか、ともう一度、地図を手に取ってみる。
やっぱり、難しい。
名前を呼んでもらえるようになったのは嬉しいけど、これじゃ毎日遅刻かもなあ・・・
思わずうなだれるあたしに、またしても笑顔を浮かべたアキが言った。
「朝ご飯の見返りは名前を呼ぶこと。お弁当の見返りが学校に一緒に行くこと。オッケー?」
アキはテーブルに置いていたお弁当をチラッと見て、言う。
「オッケー・・・」
なんだか、今日の悪魔はちょっとだけ優しい気がする。
アキとあたしの距離は、また少し縮まった・・・かな?
なーんてね。