結婚のススメ



「改めて、よろしくね。堀田 晃。天空高校3年、18歳です」
「む…向田 奈都芽です。聖女子学園1年…です」

差し出された手をそっと握って握手をする。
親の勝手で結婚させられるというのにニコニコしてて・・・嫌じゃないのかな?


まじまじと「アキくん」の顔を見る。

身長は180センチくらい?
よく見ると、綺麗な顔立ちで爽やかな雰囲気に、セットされた黒髪がよく似合っている。


「あっ、それでね。やっぱり夫婦はずっと一緒に居た方がいいと思って、奈都芽は晃くんと同じ学校に転校するように手続きは済ませてあるからね」

当たり前のようにさらっと言う。


「2人の新居も用意してあるし、生活費は君たちが自立するまでは何も心配いらない。パパに任せるんだ」

キラキラと輝くような爽やかスマイルを浮かべた「アキくん」は目をまん丸にした。

「何から何までありがとうございます。
自立したら2人だけの力で頑張ります」
「なーに、心配いらない。子どもが親に甘えるのは当然のことなんだよ。娘の奈都芽と結婚した晃くんはもう、わたしの立派な息子だからね」

そういえばいつだか、娘も可愛くて仕方ないけど息子がいたらそれも楽しかっただろうな、とパパが言ってたのを思い出した。

もう一度、「アキくん」を見つめる。

爽やかで優しそうな感じだ。

それにしても急に結婚、だとか言われてあっさり快諾するなんて。

あまり自分の意見とか言わないタイプなのかな?

彼女とかいなかったのかな?






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