輝龍―伝説篇―【気まぐれ更新中】
DRY消滅から1週間。
あたしは必死に彼について調べたけれど、彼のデータはなかった。
調べられないと分かってはいた。兄とあたしはいつも兄が何をするのも勝っていたから。
彼は才能を隠すのが上手くて、自分の能力の使い方も、熟知していた。
だからこそ、私はいつも彼が読めなかった。いつも、あたしを助けてくれていたはずなのに。
ふとしたときに感じる視線。向けられた殺気。
彼が敵に回ったと、疑いようもなかった。だって、振り向いた時には、影も形もなくて。
そんな監視の仕方をするのは、彼しかいない。