輝龍―伝説篇―【気まぐれ更新中】
「眠い…」
慧に抱き締められ、あたしは暖かさでまた眠たくなった。
無意識に慧の胸にスリ寄ると、慧は驚いたようにあたしを自分から引き離した。
「おまっ…馬鹿野郎…」
そう言って、また強く抱き締められた。
後ろがうるさかったけど。
「頼むから他の奴のモノになるな…」
切なげに呟かれたその言葉に、私は返事が出来なかった。
ただ、寝ぼけたフリをするので精一杯だった。
「ごめんな、結衣。」
しばらく抱き締められたままだったけど、慧は突然離れた。
後ろから睨む三人の姿に苦笑しながら。
「早く降りてこいよ?」
その言葉と共に、彼は扉を閉めた。