輝龍―伝説篇―【気まぐれ更新中】
「あ、翔さん!結衣さん見つかりましたか?」
カンカン、と階段を降りる音に気付いた数人が声を上げる。
あたし、後ろにいるんだけど。
背が翔よりも小さいことが災いして、あたしは気付いてさえもらえていないらしい。
「結衣さんですか?いますよ…僕の後ろに。」
「「へ?」」
しゃがみこんだ翔のおかげで、やっと前が見えた。
見えなかったこと自体、翔のせいだけれど。
「挨拶、お願いしますね。」
間抜け顔のメンバーを気にする様子もなく、まさにマイペースで進めていく翔。
後から降りてきた慧たちが苦笑いしているのが見えた。