俺様彼氏とあたし様。
寧音のマンションの前に着くと、仕事帰りの寧音の母親と鉢合わせしてしまった。



何もできねぇ…。



「王子~!!送って来てくれたの?イメージ通り優しいのねぇ~!!」

「あ、いえ…」

「お茶でも飲んで行って~」



何故この人は俺を『王子』と呼ぶんだろう…。



しかも上がれ!?



無理だ。



お父様がいたら気マズすぎる。



「今日は遅いので失礼します。またお邪魔しますのでその時はよろしくお願いします…」

「あらそう?今度はゆっくりしてってね?」



どうにか切り抜けた寧音の母親からの誘い。



寧音には適当に別れを告げてから家に帰った。



あまり疲れなかったな…。



写真集の時に比べたら楽勝だった…。



「おかえり~。寧音大丈夫だったか?」

「かなり落ち込んでたな。蓮司があんなにいじめるから…」

「でも最後はマジよかったぞ?寧音もいつか行くかもな、世界に」



寧音が世界に!?



蓮司が寧音を認めてるって事か。



すげぇな寧音…。




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