俺様彼氏とあたし様。
シャーッと開いたカーテンの音に、グランドから目を離してそっちを見た瞬間…。



えっ…。



何で?



「日向…」

「俺、撮影あるんで帰りま~す」

「ねぇ!!ちょっと…」

「何?」

「何でいるの…」

「教科書忘れたからサボっちゃった~」



聞かれてた…よね?



あたしの恋の話し…。



「聞いた?」

「何を?」

「その…あの…」



あたしが言葉に詰まると、肩に鞄をかけた日向が近付いてきた。



目が合うだけで死にそうなくらいのドキドキ…。



やっぱり日向が好きなんだ…。



「誰かに恋しちゃった寧音チャンの話しなんか聞いてないよ?」

「聞いてんじゃん!!もういや~…。死にたい…」

「ははっ!!お前も恋とかしちゃうんだ~」



この気持ちに気づかなければこんなにドキドキしなかったのに…。




近づいてきた日向は物凄く意地悪な口調であたしのネクタイを手に取った。




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