俺様彼氏とあたし様。
家に帰れば亜香里がいる。



「今日のおやつ何!?」

「プリンが冷蔵庫に入ってるから勝手に食べて。あたし疲れた…」



両親ともハードな仕事をしてるけど、俺は寂しくなんかない。



蓮司も亜香里も俺を愛してくれてるから。



「日向、親子共演しねえか?」

「しない。俺は親の七光りで有名にはなりたくない」

「言ってくれるね。じゃあ自力で頑張れよ」



蓮司と同業の俺はよく仕事の話をする。



きっと蓮司と仕事の話をするのなんて、世界中のモデルが憧れることだろう。



息子である俺の特権だ。



俺は自分の力で、蓮司の地位までのしあがってやるんだ。



それから4年生になった俺に人生最大の出来事が訪れる。



「付き合って!!」

「瑠奈ちゃんと!?」

「うん。いい?」

「別にいいけど…」



初めて彼女ができた。



学年で一番カワイイ瑠奈。



俺の初カノ。



「手ぇ繋いで?」

「はい」



俺は男女がどんな意味で付き合うのかなんて分らなかった。



特に好きでもなかったと思う。



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