俺様彼氏とあたし様。
無口になった寧音は、かなり顔が赤い。



本当にしてしまおうか…。



「喋れよ寧音」

「近い…」

「んな事ねぇ」

「離れて?」

「ヤ・ダ」



何でこんなに意地悪したくなるんだろうか。



好きな子をいじめるガキみてぇだ…。



「ひ、日向…」

「何?」

「好き…です…」



は!?



マジで言いやがった!!



どうすりゃいいんだよ!!



モデル歴は長くても、恋愛は初心者なんですけど…。



「そ、そうですか…」

「はい…」

「いただきます!!」



バカな俺はそう言って寧音にキスをした。



昨日とは違う、自分の気持ちを知った上でのキスは、初めての衝撃だった。



壊れる程の心臓の音…。



苦しくなる胸の奥…。



これが恋だ…。



離したく…ねぇかも…。




< 83 / 425 >

この作品をシェア

pagetop