花火~散る記憶~



「……」





あ、ここ保健室…?




あそっか!私体育の時に ボールが顔面に当たって…


倒れたのか






「鼻いたぁ…」







ズキズキと痛む

やっぱり、さっき夢(?)で見た あの心地いい胸の苦しみとは違う




「一ノ瀬?大丈夫か?」







私が寝ていたベッドの隣には、安堂くんが座っていた。




「あれ?運んでくれたの?ありがとう」




「いいえ。じゃあもう教室戻るかっ」






そう言って 私の鼻を、ツンッとつついた。









――――ガラッ



「おぉーー!きたきた!!」

「悔しいぃーー!」





教室は、何故かうるさかった。

なんでこんなにはしゃいでるの?





「ちょっと繭~っ!羨ましいよ!」

「ちょっと待って!真莉香、何があったの?」





そして真莉香は、おとぎ話を聞かせてあげようと言い、話始めた。






「繭がボール当たったでしょ?その時繭が倒れちゃったの!そしたら、安堂くんが 真っ先に繭の方へ向かって、お姫様だっこしたのぉーー!」






安堂くんが真っ先に…?

―――――――キリッ…







まただ

また変なキリッと感がある。





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