花火~散る記憶~


「ただいまー」




パパいないんだ…
ママには、もう文化祭の事言ってあるし



ふいに仏壇を見た。
お兄ちゃんの遺影があった。





お兄ちゃんの事、あまり記憶ないんだよね。
私が幼い頃、死んじゃったからかな…


それとも私が産まれる前とか?






「……私ソックリ」


つい笑みが溢れる。






「繭?早くお風呂に入りなさい」

「はーい」




15分ぐらいで、出てきた。
もう肌寒い秋の夜道を、駅に向かって歩き出した。




「…あれ?安堂くん?」






安堂くんと、ばったり駅のホームで会った。

なんか…素直に嬉しいかも。





「ついでだし、一緒に行くかっ」






安堂くんも、なんだかんだ言って 楽しみなんだっ



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