花火~散る記憶~
そして、私の顔を見てくる。
月明かりで微かに見える安堂くんの 綺麗な顔に、緊張した。
「繭…」
うぅ!!
そんな色男みたいな声で呼ばないでー!
すると、ゆっくりとハイハイで近寄ってくる。
そして私の目の前で、止まった。
「繭ぅ…なんでだよー…っ」
「へっ?安堂くん酔ってるの?」
その瞬間…
私の視界は安堂くんだけだった。
私…
安堂くんと…キスしてるの?
唇の感触が、何故か懐かしく思えたりもした。
安堂くんはそのまま、私の膝の上で寝てしまった。
「あ…安堂くん。ヤダな~酔っぱらってキスするなんて~…っ」
何故か悲しくなった。
なんで涙が出るのか、分からなかった。
今は、何よりも 安堂くんの事で頭がいっぱいになって…そして安堂くんは私の膝の上で寝てしまったから、私はあまり寝れなかった。
その時なんて、あっくんの事なんて 忘れていた。