花火~散る記憶~


「あっと……安堂くんっ よろしくね!」




あれ?

何故か、安堂くんは 私の顔を見て驚いている。




何で?



「えーっと、私の顔に 何かついてる?」


「うん。鼻くそが…」


「えーーーっ!?」





そして、急に安堂くんが大笑いして、騙されたって事に 気付いた。





なーんだ。結構 面白くて、明るい人なんだぁ…






「私、辻 真莉香でーすっ♪」

「俺、繭の彼氏の 中野 篤人!」



「え…?」





また安堂くんは、驚いている。

色々驚きすぎじゃない?




「私に彼氏がいないと思ったー?いますよー!」






そしてまた、安堂くんは大笑いした。

図星!?




でもなんだか 楽しそうな人で良かった…。










そして――――――――




この刻から、私の錆び付いていた 心の針が…




ゆっくりと動きだそうとしていた。


< 3 / 116 >

この作品をシェア

pagetop