花火~散る記憶~
「あっと……安堂くんっ よろしくね!」
あれ?
何故か、安堂くんは 私の顔を見て驚いている。
何で?
「えーっと、私の顔に 何かついてる?」
「うん。鼻くそが…」
「えーーーっ!?」
そして、急に安堂くんが大笑いして、騙されたって事に 気付いた。
なーんだ。結構 面白くて、明るい人なんだぁ…
「私、辻 真莉香でーすっ♪」
「俺、繭の彼氏の 中野 篤人!」
「え…?」
また安堂くんは、驚いている。
色々驚きすぎじゃない?
「私に彼氏がいないと思ったー?いますよー!」
そしてまた、安堂くんは大笑いした。
図星!?
でもなんだか 楽しそうな人で良かった…。
そして――――――――
この刻から、私の錆び付いていた 心の針が…
ゆっくりと動きだそうとしていた。