花火~散る記憶~
「繭。篤人のこと好きか?」
急に何!?
ビックリするなーっ
「あったり前よ!あっくんは、私にとってかげがえのない大切な人なんだもん」
安堂くんは、納得した顔だった。
なんで急にそんなこと聞くの?
…って聞きたかったけど、安堂くんの雰囲気が 言わせてくれなかった。
「じゃあ、そろそろ帰るかっ お前も疲れてることだし」
なんか…名残惜しいな
離れたくなかったのに―――――。
「安堂くん、今日はありがとう!…まぁ色々事故とかあったけど、それもいい思い出になったし!」
そしてゆっくりと歩き始めた。
駅まで、そこまで距離はないけど、何故か早く感じた。
―――「送ってくよ」
「え?いいのに~っ」
安堂くんは、意地でも私を送ってくれた。
ある意味忘れられない、文化祭になった。
……私の家に着くのも早くて、安堂くんともお別れになってしまった。