花火~散る記憶~
―――――「あっくん!」
朝、寒いのに わざわざ来てくれた。
あっくんの顔を見る限り、多少の怒りと…悲しそうな表情をしている。
「バスケ部の朝練は?休んできたの?」
「まぁな…」
投げ捨てるように言うあっくんは、怖い。怖くさせたのは私だけど。
最初、なんて言おう…
全部言い訳にしか聞こえないかもしれない。けど、あっくんの心に 私の気持ちが少しでも伝わると―――――…
「あ、あのね あっくん…」
ゆっくりと、冷静に
伝わるように。
「私と安堂くんの…その、事故チューは お互いの意志がないキスだから、その…違くて…」
私の説明バカ!
あっくんも呆れてるかな…
「ごめんねっ あっくん!ゎ…私の事嫌いにならないで!…じゃあ」
ぐいっ
いきなり後ろから抱きつかれた。
「嫌いになんかなれるわけねーだろ。俺は、繭一筋なんだから」
あっくん…
あっくん…