花火~散る記憶~




「じゃあ今週の土曜日 ○○図書館で集合。5教科の教科書、ノートを持ってくること」



「あれ?なんで5教科だけ?」


「バカは一気に覚えられねーだろ」




ムッカー!
…よしっ!赤点よりも1位取ってやる勢いでやろーじゃないのよっ




そして、痛いほどの視線が感じられるのは、私だけかな…。




間違ってなかったら…多分あっくんと真莉香だと思う。

見てませんように、見てませんように。




「繭ってさ、安堂くんの事 好き?篤人はいいの?」







「な…何急に。あっくんに決まってるじゃん…っ」





真莉香…真剣だ。
いつもノリノリの真莉香が、いつにもまして真剣だ。






「土曜日、私に行かせてくれない?勉強は 篤人にでも見てもらえばいいじゃん?」







断らなきゃ。
でも断れない――――…




「わかった」






やってしまった。




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