花火~散る記憶~




真莉香は嬉しそうに 自分の席へ戻った。

私…安堂くんとの約束破るんだ




私から言っときながら 真莉香が行くって。最低すぎる。
安堂くんに言っとかなきゃ…





「あ、繭!ごめんだけど、安堂くんにはドッキリで行きたいから よろしく~♪」



「え?待ってよ!おかしくな……っ」






その続きが言えなかった。
真莉香の雰囲気が言わせてくれなかった。


「じゃ、よろしく~」





真莉香が豹変した。
恋と言う 不思議な感情のせいで、人はここまで豹変するとは、知らなかった。


なんとなくは聞いたことあるけど…







真莉香を信じてたから。

そんなに豹変しないって。





…でも本気で恋をすると、やっぱりそうなるんだよね。



だから仕方ないよ。
応援するって言ったし。



安堂くんには、ものすごく悪いけど 謝れば…








ごめんねって。







< 54 / 116 >

この作品をシェア

pagetop