花火~散る記憶~



「あれ?繭どうした?」






「ど、どうもないよー?」






安堂くんとは隣の席だったんだ…。
気まずい。



「ねぇねぇ、安堂くんの事 巧弥くんって呼んでいい?」





「え?あぁ全然いいけど」





真莉香…
最近大人っぽくなったかな。


2人が付き合ったら、Wデートしたいなぁ。





…でもなんか付き合ってほしくない。
寂しくなるからかな…?

自分でもよくわかんない。




【from中野 篤人
今週の土曜日、久々にデート行こ?】







私には、もうこれしかないの。
安堂くんに嫌われると思う。

こんなこと、バカだって分かってる。




…でも、もう何もかもぶつけて行かないと 無理なような気がしてきた。





~♪





【いいよ!繭の家に迎えに行くわっ】



そしてあっくんは後ろを向いて ニコッと笑った。


その笑顔を見ると、安心するんだよね…






「繭ー、誰にメールしてるの?」




「あ、安堂くんじゃない人!」







なにそれーっと笑っている安堂くんを見ていると、胸が痛む。


そんな姿を見て、無表情でこっちを見る、真莉香が怖い。







少しずつ…何かが動き始めている。






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