花火~散る記憶~
「はぁーはぁーはぁー…」
コート置いてきちゃった。
寒い…
しかも、ここって 安堂くんとの秘密基地だ
私…無意識で来ちゃった
あの大きな木は、葉っぱがすべて散っていた。私達4人の関係みたいに…
「安堂くん………っ」
なんでこんなに胸が苦しいの?
なんでこんなに切ないの?
なんで安堂くんを呼んだの?
私…とってもとっても、大切な事を忘れているような気がする。
“恋する気持ち”…
この気持ちがそうなのかもなにもわからない。
私の身勝手だと思う。
多分一生気づいてはいけなかったんだ。
ずっと――――気づいてた。
初めてキミを見てからずっとなんだ…。
ずっとずっと分かっていたけど、隠してた。
自分でも違うって言い聞かせた。
でもダメだった。
優しくされると自分じゃなくなる。
ずっと一緒にいたい。
私は―――――――――…
「繭!!」