花火~散る記憶~




いつか張り裂けそうで怖い。

自覚してしまったの。









――――――――安堂くんが好きって…








「繭?何ボーッとしてんだ?」


「あ、ううん。ごめんねっ 帰ろっか」





私、あっくんどうするの?
別れるの?
そのまま自分に嘘つき続けるの?


…今はいいや。




家に帰ってから考える。

今は安堂くんと一緒にいるの。
本当ワガママだけど…




今の時間を大切にするの―――――







…………


ゆっくり歩いた。
ゆっくりと、ゆっくりと…



すれ違う人に、変に思われるぐらい。







…そして、喫茶店に着いた。

心配そうにしているあっくん。
真莉香は顔が見れなくて、分かんないけど、真莉香もいた。




「あっくん、ごめんねっ!今日はもう帰るね…」








「俺、送ってこうか?」






私は静かに首を横に振った。








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