花火~散る記憶~


―――――――…








なんだか最悪な休日だったなぁ。

今日からまた学校だし、なんか顔合わせずらいし…



「…あれ?繭 家出るの早くない?」






「いいの。いってきまーす」










できるだけ会いたくなくて 電車を1本早く乗る。
つい最近まではあんなに笑いあっていたのに…


これは誰のせいでもない。





でも…やっぱり寂しい。
またいつものように、一緒にお昼食べたり、しょうもないことで笑っていたい。


「はぁ…」








「――――繭、どーした?」






急に後ろから声を掛けられて、瞬時に振り向いたら 安堂くんの顔が私の目の前にあった。


私は文化祭の、事故チューのことを思い出した。





「ぁ、安堂くん!な何でここに…」


「うーん…。繭と同じ考えかも」







何で分かるのかな。
胸がキリッとする。


このキリッとするのは、皆にとっては“ドキドキ”と同じってことを、最近知った。



ずっと…私は安堂くんが好きだったんだ。







―――――――――あっくん………



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