花火~散る記憶~
「真莉香!話があるの!」
決着をつけないと。
誰も前に進めない。
そしてやっと私の声に応えてくれた。
休み時間。屋上。
冬の風は死ぬほど冷たい。
「何?話って」
「私、安堂くんの事 好きかなぁって勘違いしてたっ。でもやっと思わされたってゆーか。あっくんの大切さ。だから気にしないで!!安堂くんも私の事 女として見たことねーって言ってたし!」
ベラベラと1人で喋っちゃったけど、伝わったかな?
変う風に思われてないよね?
お願い…届いて――…っ!
「そっかぁ!そーなんだ!
やっぱそうだよねぇ、安堂くん、繭の事全然好きって感じじゃないし!」
…。
大きく頭を縦に降った。
そして真莉香は 宿題をまだしてないっと言って、先に帰った。
「ははっ。私ってバカだなぁ…本当」
自分で言っといて、すっごい傷ついてる。それに真莉香のあの一言。
図星だーって思ったよ。
「…うぅ……っ…」
チャイムの音なんて聞こえなかった。
聞きたくもなかった。
初めて授業をサボった。
でもこんな泣いた顔で教室に戻りたくないよ。