花火~散る記憶~




―――――




教室に戻ったら、いつもの真梨香とあっくん。そして少し居心地悪い安堂くん。





「あれ?繭 目腫れてない?」





「やだなぁーあっくん!そんな事ないよ!」







なんだかあっくんといるのも変な違和感を感じる。

あっくんとの恋は、穏やかでホワホワと刻が流れる。




安堂くんとのは―――――
…だめだめ!思い出したらだめ!





「繭、保健室行こ。目やっぱ腫れてる」







もうすぐ5時限目なのに…
あっくん、ごめんね。

私もうすぐであっくんを裏切る所だったよ。




本当にごめん、こんなに大切にされてるのに…











「――――保健の先生が、主張行くらしーから、俺が手当てするわ」



「ありがとう。…ふふ、あっくん医者みたいっ」






「おっ、やっと笑ったなー」








もしかして落ち込んでいたの気付いてたの?




なんで――――私、あっくんを絶対大切にする。









あっくんから離れても、私からは絶対離れない。






そう、私は心に誓った。

――…でもその誓いは破る事になることは、想像もしていなかった。









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