花火~散る記憶~
「はい、保冷剤。これで冷やしておきな」
「うん」
「…ってか何で?もしかして泣いてた?」
バレバレだ。言う?それともやめる?
彼氏だし…言った方がいいのかな。
どうする私?
言う?言わない?
「えー…っと。真梨香と仲直りできたの、それで緊張みたいなのが溶けちゃって」
……嘘は言ってないもん。
真梨香と仲直りできた時から泣いてたし。
「そっか、真梨香とできて良かったな」
またいつものあっくんの笑顔に、心が和む。
「あっくんは、もう戻ってもいいよ?授業受けないと来年度、受験生なんだからっ」
「そーか?…じゃあ、また次の休み時間に行くから」
ガラガラガラ…ピシャンっ
はぁー
疲れた。色々と
寝ようかなー、
―――――――……
『お兄ちゃん…』
“繭、ごめんな”
『やだ…やだやだやだ!行かないで!』
“繭…俺がいなくても、大丈夫だろ?
繭のことは、ずっと見守っているから”
『変なこと言わないでよ……うぅ!…
あ、頭が――痛い』
“繭、お前は絶対死ぬな。俺の分まで生きなきゃいけないんだ”
『頭が…痛い。…このまま……私も死ねたら―――』