花火~散る記憶~
「明日には、退院できるらしいから 今日はもう寝なさい」
「分かった。…じゃああっくん、明後日ね!」
あっくんはニッと笑って病室を出た。
…なんで安堂くんは来なかったんだろう。
いやいやいやいや!来る方がおかしいか!
バカ!私!
……ううん。バカだけど、安堂くんにはいてほしいと素直に思っちゃう。
だってもう友達だから
友達としていてほしいから。
「ふぅーー…」
――――あ、また夢見るの?
薄暗いなぁ…ここ。
なんか…顔が濡れてる
上からなにかが降っている。
涙?
…涙だ
なんでかな、なんで涙?
あぁ。揺れてる。ゆっくりと…なにか溶けてるみたい
―――――