花火~散る記憶~
「いやぁーやっぱジェットコースターはいいね!」
どんどんテンションが高くなる真梨香は、どこか小さい子供みたいで可愛い。
「じゃあ次はバイキングに乗ろ?私好きだし」
「あはは。繭は中3の初デートん時も バイキング乗りたがってたもんなー」
バイキングは昔からずっと好き。
特に一番後ろに座るの!最高だよね!
絶叫系が大好きな私とあっくんと真梨香は、すっごくはしゃいだ。
…安堂くんはどうなんだろう
「俺もバイキング好き!早く乗ろう!」
……あれ?もしかして安堂くんも好き?
案外同じタイプが揃って 遊園地とかには、いいメンバーなのかも
『レバーを下ろし、手すりをしっかり握りましょう』
アナウンスが流れ、最初はゆっくりと揺れだす。徐々に揺れは増していき、一番高くなった時。
頭が痛くなった……っ
「ん…」
まただ。変なんだよね、本当
でも今回の頭痛はすぐに引いてくれて、一安心した。
けど、終わったらちょっと具合悪くなってきた。
最悪……今日は楽しい日って言うのに。
いつどんな時にこの頭痛が襲ってくるのか分からない。
なんなんだろう…この頭痛。
なにか―――普通の頭痛とは違う気がするのは私だけだろうか。